ノーベル賞について日本の一技術者が考えること。

大村智・北里大特別名誉教授がノーベル医学・生理学賞を受賞されたのに続き、梶田隆章・東京大宇宙線研究所長がノーベル物理学賞を受賞されました。とてもすばらしいことだと思います。いち技術者として尊敬するとともに、日本を誇らしく思います。

ところで、ノーベル賞に関して、とある講座で勝間和代さんが2008年に執筆された記事を読む機会があったのでご紹介します。というか自分自身のために残したいと思います。2008年も4人の日本人がノーベル賞を受賞した年です。

本文は日経BP社BizCOLLEGEで読むことができます。記事はこちら。

以下引用

日本人4人が受賞という快挙にわいた今年のノーベル賞。
だが各人の経歴を見れば、日本が抱える問題点が浮かび上がってくる。
優秀な若者に活躍の場と潤沢な予算を与えない仕組みだ。

10月に2008年のノーベル賞各賞の受賞者が発表されました。今年は日本人の受賞ラッシュで、物理学賞で南部陽一郎氏(現在は米国籍)、小林誠氏、益川敏英氏の3人、化学賞でも下村脩氏の受賞が決まりました。「さすが、日本人は底力と創造性がある」と素直に喜びたいところですが、果たしてそうなのでしょうか? 今回の受賞者のプロフィルから検証していきます。

(途中省略)

  • ノーベル賞の対象となる理論を発表した年は20代後半から最も年齢が高くても40歳と、比較的若い時代である。
  • 4人のうち、2人までが海外へ頭脳流出してしまっている。
  • 日本に残った2人の業績も、大がかりな予算が必要ない理論物理学での研究である。

以降に続く、勝間和代さんの考察も的確で、「なるほど」と納得します。

優秀な日本人研究者・技術者の苦しい現実を知り、少なからずショックを受けました。優秀であればあるほど日本で研究することはできないのかもしれません。日本、そして日本企業は自ら最も重要な頭脳を流出させることで、自分自身の首を絞めてしまうという、悪循環に陥っているのかもしれません。今年度の利益、来年の利益を追求するばかりで、長期的な要素技術的研究開発には予算が回らないという現実があると思います。いくら長期経営計画を掲げていても、現場で求められる成果は今期・今年度の利益だけです。
一方で日本だけでなく、世界中から優秀な頭脳が集まる米国というのは、その仕組みを考える頭脳も含めて「さすが」としか言えません。
非常に考えさせられる記事でした。